最初の言い訳


 登場する人名や地名などからお察しの方もいらっしゃるかと思いますが、『THE BLACKEN BATTLEFRONT』の舞台は奈良時代の終わり〜平安時代の初め頃の東北地方、主に太平洋側の地域がモチーフとなっております。


 広大な扇状地を有するイサワ平、その裾を南北に流れる大河ヒタカミ川、その東の山間に開けた盆地トオノ平……などなど、大まかな地名と地理的状況も、現実世界に寄せて設定しています。


 "阿弖流為"関連を題材としたフィクションを進めるにあたって、どうしてもヤマトVSエミシという大味な構図が目立ちます。が、それを軸に据えながら、当時の状況をできるだけリサーチし、双方の勢力がただの一枚岩ではないところをしっかり出しつつ進めていこうと思っております。


 とはいえファンタジーというか、もっと言うとだいぶ不謹慎なことになっており、自分自身もこれでいいのか戦々恐々書き進めておりますが、そうはならんやろ的フィクション性(※個人的安心材料でしかない…!)を付加することで、各学問との線引きをしつつ、その一方で自分が今までに得た知見を少しでも取り入れて表現できたらと思っております。


 実を申しますと、長年この『THE BLACKEN BATTLEFRONT』という創作にストーリーをつけることに対して、心の奥底で強い抵抗がありました。自分ごときが歴史上の出来事をモチーフにふざけた創作をするのかよ、と。


が!


しかし一度手を出してしまった手前、自分の創作に対してつけるべきケジメもあると勝手に感じております。やっぱりなんだかんだでこの創作が好きなのだと思います。今度こそ、できる限りは書き続けてゆきたいと思っておりますので、どうか生暖かい目で見守ってやって下さい……